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第96回MURオープンゼミナール


日 時 2006年7月15日(土)14:00~16:00
内 容 「伝統的街並みと安全・共生のデザイン」
      室崎益輝(連携教授 消防研究センター所長)
場 所 神戸フィールド・スタジオ
参加者 34名
記 録 秋元 康男


写真1


■「伝統的街並みと安全・共生のデザイン」 (室崎)
  • 阪神淡路大震災を経て
  •   伝統構法は危険とされたが、倒壊したのは近代的な技術を折衷した壁式のもの

      本来の伝統構法は経験則からつくられたもので、

      近代の力学的な解析から求められる構造とは異なる

  • 防災ではなくて減災
  •   人間の小さな力ではどうにもならない自然災害にどう向き合うべきか

      たとえば、行政と住民、ハードとソフトといった「力の足し算」で向き合うべき

  • 安全と共生
  •   共生とは異質なものの相互依存もしくは共創関係

      アメニティ+コミュニティ+サスティナビリティ=セキュリティ

  • 安全と文化
  •   災害の記憶を定着させて文化を築く

      それが地域に定着したときに減災の基盤として機能する

       →伝統的街並みに見られるデザイン

  • 伝統的街並み
  •  ・用途複合、多世代居住など多重的な共生
     ・適材適所の素材利用
     ・機能性、意匠性、相隣性の融合
     ・非日常性を原点としながらも日常性の融合をデザイン的に図る
       例)うだつ、犬走り、石垣塀
     ・集住と相隣を重視する姿勢:単体の弱点は集合の利点でカバー
       例)屋根勾配、界壁、土蔵連担
      →新たなデザイン創出のヒントを見出す



質疑

震災100周年のサンフランシスコが、世界一火災に強い街と言われるのはなぜか?

 →まず、火災に備えて水源の確保をきちんとしたこと挙げられる。周辺の山地に巨大な
   水槽を設置したり、ポンプ・ホースのネットワークを市中に張り巡らせたりしている。
   また、建築物の相隣関係に配慮がされている。隣同士の建物は中途半端な隣棟間隔
   をとるのではなく、壁と壁を完全にくっつけてしまう。そうすることで防火区画を形成し、
   また一方で、完全にくっつけた分、広く間隔をとるべきところでは十分な隣棟間隔が確
   保できる。
  

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