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第93回MURオープンゼミナール


日 時 2006年4月15日(土)14:00~16:00
内 容 「地域産業の災害時事業継続計画について」
      北後明彦(神戸大学都市安全研究センター)
「災害後の産業復興とまちづくり」
      紅谷昇平(神戸大学大学院)
場 所 神戸大学COE神戸フィールドスタジオ
     <神戸フィールドスタジオのご案内>
     〒653-0041 神戸市長田区久保町6丁目
     アスタくにづか4番館 東棟 302-2
     tel:078-643-0456
参加者 20名
記 録 秋元 康男





■「地域産業の災害時事業継続計画について」 (北後)
  • 研究の背景と目的
  •  ・先進国の自然災害による、住民・社会・基盤施設・産業界への影響
     ・これまでは、住民と行政で災害被害に立ち向かってきた
     ・今後は産業界の対応能力、事業継続能力が復興の鍵となる
      (例:災害時の地域の雇用確保)
     ・地域環境に適応し、災害に強い産業社会の構築を目指す

  • 今後の研究方向
  •  ・企業リスク対応課題の抽出
      (何が問題になり得るか、事業継続のために必要なことは何か)
     ・企業防災情報データベースの作成
      (立地する周辺地域において、企業にできることは何か)
     ・災害前、災害後の企業対応調査
      (阪神・淡路大震災時の教訓から)



■「災害後の産業復興とまちづくり」 (紅谷)
  • 阪神淡路大震災後の復興過程=「縮まらないギャップ」
  •  ・製造業では製造品出荷額・雇用者数、
      商業では小売商店数・小売販売額に関して、
      全国・兵庫県全体・被災地間のギャップは震災後年々広がってしまっている

  • 産業復興とまちづくり
  •  ・資産の被害と収入の被害
     ・産業復興は民間によるものであるが、産業が地域に与える影響は大きく、
       まちづくりとの関連でも考えるべき
     ・サプライチェーン(商品供給システム)、連関産業全体の復興の必要性
     ・建物を再建しても、入る企業がなければ、ゴーストタウン化が進むのみ
     ・地場産業(居住地域内での産業)は打撃を受けやすい:資産も収入も被害をうける

  • 阪神・淡路大震災以外の例:雲仙・普賢岳噴火
  •  ・火山:災害の長期化、予兆のある災害
     ・直接被害は少なく、間接被害は大きい(消費者の避難、交通網の遮断)
     ・サプライチェーン(商品供給システム)、連関産業全体の復興の必要性
     ・風評被害、観光への打撃(直接被害はゼロでも)
     ・お弁当の発注、旅館を避難所に:需要の創出



質疑
震災後、酒造が神戸市域から撤退し、地域産業としては後退したと捉えることもできるが、 産業を衰退させないためには、災害発生後にどういった土地マネージメントが可能であるか?
 →業者自身で土地の確保が困難になった場合、
   公共機構に一時的に土地を買い取らせることも考えてよいのではないか。
   製造業を支援することで、地元の商業も守られる。

災害後には住宅復興、産業復興ともに考えていかなければならないが、 南海、東南海地震が発生した場合、被害はかなり大規模になると考えられる。 復興過程において、まず優先すべきは何か?
 →阪神淡路大震災のときは、被害を受けた地区は限られた範囲であったから、
   近隣地区で不足産業を補うことができた。
   産業復興のためにはそこで働く人の生活が守られなくてはならない。
   総合的な政策としては、住宅復興、産業復興セットで考えていく必要がある。

大規模店舗の進出は、従前の製造業による大規模な雇用すなわち安定的な労働の機会を喪失させてしまうとの見解があった。 しかし、その一方で大規模店舗進出をきっかけにして人が集まり、街に賑わいが生じ、街を活性化させる役割もあるのではないか。
 →大型店の設営には2、3年かかる。設営のための時間のギャップに問題がある。
   また、大型店の直近では集客効果によって利益が上がるが、
   ある程度距離が離れてしまうと、
   客足を奪われてマイナスにしか作用しない場合もある。
  

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