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D論ゼミ/博士論文関連事項 2002年度
過去の記録 2001年度
2003-03-22(土) 10:00~ D論ゼミ(都市安全会議室)
参加 室崎、北後、青田、チェ、ジーラ、垂水、安野
青田 ノースリッジ地震を契機に設立されたコミュニティ・ベースのボランティア団体ネットワークを中心した防災連携について
<発表>
過去の災害では、
 どこの国でも、NPO活動の定着は、20年、30年かかる。
 これまで、マスケア中心、マイノリティ・グループなどに対応できなかった。
 このようなニーズに対応するため、CBO Community Based Organizationの連携の大切さが指摘された。
ノースリッジ地震での多様なニーズとの関係
 ロサンゼルスという大都市
 大都市特有の問題
 多文化社会
ENLA Emergency Netwark of Los Angeles
 ロサンゼルス市のイニシアチブによるネットワーク組織の立ち上げ
 各地のCBO 全国レベルNGO 地方政府から構成される
 主に支援する対象者 エスニック、子供、女性、高齢者、障害者、非英語者
ENLAに加入するCBOの活動
 INFO LINE エスニック・グループ対応
 San Fernando Valley Interfaith Council 高齢者対応 宗派に限らずサービス
 Homeless Health Care LA ホームレス対応
ENLAコミッティー(委員会) 発足当時は10
 必要に応じた分野を担当 シェルター、食料、メンタルケア、・・・・
ENLAに関与するステークホルダー
 政府を信用していない人にも信頼される
 不法滞在者、特定宗教にもアプローチできる
 ロサンゼルス郡のNPO、CBOへのアプローチ
  たとえば、INFO LINEへの委託
 ロサンゼルス市のNPO、CBOへのアプローチ
  災害準備のためのパートナーシップ
 FEMAのNPO、CBOへのアプローチ
  FEMA VAL Voluntary Agency Liaison の役割
全国レベルの災害NPOから見たCBOとの連携(ステークホルダー)
 赤十字 なぜ連携が必要となるか 赤十字は、・・・
  マイナーなニーズに答えるのが難しい
  マスケアが中心となる
  意思決定が遅い
 救世軍
NVOAD National Volunteer Organaization Active in Disaster
      全米ボランティア組織救援機構
 調整組織
 サービスが重複しないように調整
 ENLAは、NVOADのロサンゼルスの組織

<議論>
1.コミュニティのCBOに焦点だが、いろんな組織が関わっている。政府、全国NPO、ENLA、NVOADがあるが、全体像が見えるのか。
2.CBOから見るといった視点が必要ではないか。視点が逆のようなイメージを受ける。
3.抽象的だが、各組織の活動の紹介に終わらずに、その意味、日本で学ぶべき点の仮説が必要ではないか。

コミュニティはどのレベルか? コミュニティの定義も必要
→地理的なものに限定されていない それぞれの人が属するコミュニティとしての活動

日本では行政がネットワーク化をはかろうとするが、自治体とCBOとの関係は
→対等なパートナー 実態は、行政は管下に置こうとする傾向はある
→お金の流れを調べてみるとよいのでは

CBOの活動の全体像 ←→ ネットワークとしての防災対応
2003-02-15(土) 10:00~ D論ゼミ(都市安全会議室)
参加 室崎、北後、垂水、ジーラ、安野
垂水 台湾大地震から3年半を迎える住宅再建について
<発表>
第1段階 緊急対応と慰労金、家賃補助、低利融資
第2段階 「工作綱領」と面的整備
 工作綱領 一種の復興スケルトン
        コミュニティ再建計画
第3段階 「暫行条例」、「921重建会」
        再建困難者への対応
        二重ローンへの対応
現在の課題
集合住宅の再建や修繕 臨門(ゴール)法 「修繕特別事業」
仮設住宅の解消 問題を抱えた被災者が集中
公的住宅建設(新社区開発の促進や平価住宅の建設)
 仮設住宅の解消のため
 国民住宅の低額分譲
 平価住宅(低家賃の公営住宅、国民住宅の空家を活用)
 また、新社区に新に平価住宅を建設
<議論>
住宅再建とまちづくりの関係は?
←都市更新事業はほとんど集合住宅再建で、部分的に使われているが、住宅再建と直接結びついていない。農村の再建については、(まちづくりの政策が、住宅再建に)ききめがあったと思われる。
日本の場合だったら、過去の災害の経緯から、過去の制度がかたくかたまっていたが、台湾は柔軟性があったのではないか。
←政治的なからみもあり、集合住宅再建、まえの政権がお金を使ってしまっているとか、次ぎの選挙を控えて考えているとか。
新社区開発はおそい。←反論もある。
ジーラ 研究計画について
社会の脆弱性と災害の関係についてGISを使って分析する。
準備状況の影響 例えば小学校での避難訓練が被害を小さくする。また、災害経験によって対応が変わる。また、母子家庭は脆弱性が高い(←経済状態が対応を規定している。)。
→この研究のどの点が新しいのか。
→得られるデータ、あるいはキーとなる要因に限定して分析を先行するとよい。
2002-12-07(土) 10:00~ D論ゼミ(都市安全会議室)
参加 室崎、北後、紅谷、崔、青田、垂水
垂水 中間発表
阪神大震災と台湾大震災の住宅復興計画立案に関する研究(目次案)
<発表>
初期計画はなぜ重要か
策定プロセスのあり方
住宅再建融資施策
<議論>
 研究の方法論にかかわるが、総論として、組み立てを示した上で、初期計画、融資などを位置づけてはどうか。組み立てとしては、理念目標の呈示、それを実現する手段、手法、などのフレーム、最終的にはそれをどのように管理するか、の3つが必要がある。
 融資と公的供給の比較から、今後のあり方を示すと良い。大規模災害時には、融資、資金援助が重要となるのではないか。公営住宅だけでいいのかという、日常と同じ話であるけれど。
 各組織のうごき、パフォーマンスと、全体計画の関係、ちょっと待って、ということは至難である。
 全体の意思決定ということでいうと、台湾は、李登輝、アメリカは、コミュニティボードの仕組みがある。日本の場合は、議会と行政と市民とで決める形態が必要で、そのためには、日常的にそのようなものがいる。
 酒田までは国が中心に進んだ。雲仙の時は、県にまかせた。阪神の場合は中途半端。下河辺委員会は機能しなかった。下から積み上げて、総合していくシステムが日本では、まだ、出来上がっていない。混乱期に市民から意見をくみ上げて、というのは理想だが。
 各部分を、論文として早期に提出していくとよい。
崔   研究計画について
復興の視点から見たコミュニティ成熟度に関する検証
<発表>
近所付き合い、地域認知度などのコミュニティの視点から、震災後の復興を把握する。このことによって、コミュニティの特性による防災力の相関関係をみる。これらのことから、コミュニティの力を高めるための、対策、教育、コミュニティ運動などを提案していく。コミュニティの分類としては、地縁型、テーマ型、電子型がある。
<議論>
コミュニティと防災の関係をどう考えるか。
  コミュニティとして地域の学習力
  コミュニティの合意形成
  地域社会を良く知っている
  これらのことと、予防、応急対応などとの関係
自分たちで守る → 自分たちでつくる が必要ではないか。このようなことがあれば、いざというときに役立つ。
まちをみんなでかかわることと、防災との関係が大切。このような目から神戸市のコミュニティを見ていくと、どこがよいか分かる。新しい地域社会のしくみに着目。
調査の流れはよいが、研究の仮説をもう少しつめる。
青田 米国調査について
  アメリカの災害NGO/NPO研究の考え方について
<発表>
ノースリッジ地震後の被災者支援における行政とNGO/NPOの役割分担について調査する。渥美調査(集合的即興)とは、別の観点から。
<議論>
アメリカにおけるキリスト教社会の必然性、あるいは、市民参加型社会の定着の中から、見ていく必要がある。それまでの日常的な救貧対策、犯罪対策、まちづくりのネットワークが関係するのではないか。
インド、台湾、その他、各国で、風土が違うので、そのまま、各国の良い点を取り込めるか、という問題がある。アメリカを見ることによって客観化する。
日常的なベースと、災害時の対応の関係。
2002-11-16(土) 10:00~ D論ゼミ(都市安全会議室)
参加 室崎、北後、紅谷、崔、ジーラ、垂水
紅谷 博士論文目次構成案
<発表>
産業復興と都市計画(まちづくり)との関連
・マクロ動向の把握
・ケーススタディ
 阪神・淡路大震災(長田)、雲仙普賢岳、
 ノースリッジ、ロマプリエタ、台湾地震、
<議論>
島原と神戸の違いと共通点
全体の論脈、復興論としての組み立て
これまでの考え方 大規模な土木復旧→他に波及
  このタイプの例 奥尻、雲仙
  閉鎖的経済化では有効、しかし、グローバル化でダメに
拠点復興論 現在の国の考え方(都市工学系の考え)
  波及効果があるとされ、
  阪神・淡路のとき協調された(長田、六甲道)
  しかし、疑問符あり、内発的な経済を押さえてしまう
  現在、床をつくると、不良資産となってしまう
  アメリカの復興論 SBAが対置される
  カナガパーク(ノースリッジ)が参考となる
  ケン・トッピング、商店街の復興を最優先・・・BID
新しい時代では、どうあるべきか
まちづくり経済学
次回 垂水中間発表、崔発表など
2002-09-07(土) 10:00~ D論ゼミ(都市安全会議室)
参加 室崎、北後、青田、崔
  地域危険度の評価について
<発表>
 被害想定と危険度評価の比較
   被害想定  : 絶対的評価 災害対応
   危険度評価 : 相対的評価 災害予防
 危険度の要因
   被害原因の背景を見出すことが重要
 事例
   東京都 危険度調査(数次-防災対策の効果の評価)
   横浜市 危険エネルギー(災害ポテンシャルの把握)
   内閣府 地震被害想定支援マニュアル
 危険度とコミュニティとの関係
<議論>
 被害想定 どこまでを考えておくべきかの観点から
          対応・防災が十分かどうかのチェック
            数字合わせになることも
 危険度評価 被害の程度と発生確率の分布
           地域の客観的な認識 → 意思決定
●日本での、これらのやり方がそのままでよいのか、問題点は?
被害想定の前提条件として適切なものを選んでいるか? 想定外の地震では役立たない。
 例えば、表面に見えている断層だけ扱っているとか
被災関数が必ずしも正しくない
 例えば、 出火率∝倒壊率(総プロ式、対数式)といわれているが、本当は密度関数となっているので、結果は、実はかなりの幅がある。
 加速度と倒壊率でいうと、加速度の低い場合のデータを収集していないことによる低い加速度での倒壊率が低い曲線を使うことになる。
 倒壊率のデータとして、罹災証明のデータと構造工学での倒壊率では定義が違うがそれらの違いを無視して被害想定してしまっている例がある。
●被害想定をして、計画、対策、フィードバックの仕組みが必要
 東京都では、何度やっても想定火災件数が減らない。
●危険度と被害想定
 危険度 学力(潜在的な能力)
 被害想定 点数(問題を与えてその結果)
●危険度の調査で問題となっていること
 不燃領域率を使って、東京以外の地域を調べると、安全なところが危険と判断されてしまう。
 指標、判断基準が正しいかどうか。
 最後に点数にしてしまうとブラックボックス化してしまう。
●これからどのような研究をするか
  コミュニティの防災力の評価
  ソフトな条件も考える
 地域の危険性を評価するフレームをつくる
  地域の防災意識、コミュニティの防災力
青田 民間中間支援団体の役割について
<発表>
 民間中間支援団体の定義
 台湾の例 全盟
  6つの機能
  : 審査(アカンタビリティ)、連携、
    活動支援、資金支援、調査、提言
  特徴
  : 包括性 専門性 信用性 自立支援性
<議論>
●投稿論文の修正
●次の研究計画
 日本とアメリカ、トルコ、インドの比較研究?
 日本の中間支援にしぼるか?
2002-08-27(火) 10:00~ 博士論文発表会
場所 都市安全研究センター会議室
参加 室崎、三谷、塩崎、辻本、矢代、徐、北後、
    堀田、流郷、二宮、森山、村田
発表者:村田明子 
テーマ:兵庫県南部地震における火災被害と地震時出火・延焼機構に関する研究

(発表内容)
 1.地域環境特性と火災被害の関連
 2.火源の変容と地震時出火機構
 3.建物の変容と地震時延焼機構
 安全性向上へ向けた対策
 (1)火源レベルでの防止対策
 (2)建物(耐火造、準耐火造)の計画・配置
    ・耐火造の加害的側面に留意
 (3)被災危険に関わる統計指標値の活用と対策への反映
(今後の課題 by hok)
 個々の分析(例えば相隣関係と類焼)と各項目へのまとめ
 2.、3.と1.との関係
 その上で、総合的な結論を導く
(質疑)
塩崎:地域環境特性との関わりについて、倒壊との関係は扱っているか。建物が壊れなくても、環境特性で出火することがあるのか。
←区単位では、出てこなかった。町丁目単位では、その傾向は見られたようです。倒壊だけでは、とらえきれないことを、今回は把握したということです。
室崎:かつては、倒壊率を基に、予測、つまり、接触率で予測してきたが、現代では、違ったかたちがあるということですね。接触の要因が異なってきたということですね。
塩崎:高齢化をなんとかはむつかしい。
辻本:非木造でも出火がある。倒壊率と影響しないという、データも示すべきです。
←5学会の報告書の一部に、関連のなかったデータも載せています。
辻本:図で、説明変数の示し方が分かりにくい。
三谷:日照時間、65歳以上、・・・、共通のことがあるのでは。建蔽率は? それで1つに収まるのでは?
矢代:通常の火災では、築年数とのそうかんはあたりまえで、要はコントロールする対象をどのように考えていますか。
←高齢者が古い住宅に住んでいるのはやむを得ないのですが、タンスが倒れないようにとか、中に入って住まい方をなんとかして、ということを考えています。
塩崎:それは大事です。介護保険でたくさんの人が、老人の家に入っていますが、倒壊とか火災についてアドバイスすると、被害が減るのはいいと思います。
三谷:地震が終わってから、しばらくして火災が起こった原因に興味があった。
塩崎:通電火災は、あまり大きくない?
室崎:特定されやすいものは、火災規模が小さい。それと、通電に2種類あり、直後、ガスがもれた時に通電で大きな被害があったと思われるが、それは原因が不明とされている。
塩崎:たてづまりで、耐火造は加害というのは、耐火造ということだけでよいということはないのか。
←耐火造だから安全と言い切れない。
室崎:地震の時に、開口部の防火設備が保持されていればよいが、そうならない。距離があればよいのですが。
辻本:耐火造、準耐火造、との言い方と、RC造、S造との言い方の違い、が気になります。RCで準耐火というのもあります。それが上から下まで燃えています。このようなことを背負っているRC造、S造を一緒くたに扱っているのは気になります。
←基本的に、RC、Sの別で分析しています。
流郷:消すのに役立つアイデアがあれば。
室崎:耐火造で、消火しやすくなったとかいうことはあるのでは? 耐火造だけでは安心できないという警告はそれでよいのですが。
←消火活動との関係についての分析は困難だった。消火活動の記録がほしかったです。
三谷:一番最初の火災が多いのは、どのような場合ですか?
室崎:全半壊していないところでも起こっていますね。
辻本:RCだけで分析するとクリアになると思います。
室崎:もう少し時間をかけて分析すると、もう少し、もっと見えてくるでしょうね。
  
2002-07-06(土) 10:00~ D論ゼミ(都市安全会議室)
参加 室崎、北後、越山、垂水、紅谷、劉、青田、ジーラ、チェ
劉 麗江の住宅復興に関する事例研究
●麗江 1996地震からの復興
<発表>
 雲南省 よく地震が起こってきた地域
 被害の特徴
 木造建物がほとんど、全壊・半壊は多数だが人的被害が比較的小さい
 (木造軸組みは残り、レンガ壁が倒壊)
 復興全体の特徴
  地震前の総合計画を基に復興計画策定
  麗江古城 世界遺産なので景観を保存
  麗江新区 地震前からの計画を推進
  農村集落 活断層にかかる所は移転
 住宅再建の特徴
  住宅再建資金として国から住宅の被害に応じた補助金
  (世界遺産・少数民族に配慮)
  世界遺産が逆に着目され、観光客が増加
<議論>
 まとめの結論と調査が一致していない点が問題
 3つの地区の復興を言っているが、調査は農村集落だけしか見えてこない
 古城の復興について、事実整理、評価が必要
越山 阪神・淡路大震災後の公的住宅供給計画と都市変容に関する研究(計画)
<発表>
住宅供給と都市復興(変容)の関係
被害の不平等性、行政支援の公平性、個々の生活
<議論>
わかりにくい、絞込み必要
個人を問題とするのか、都市全体を問題とするのか
→ 住宅供給の方向性を見たい
災害だけでなく、これまでの住宅供給のあり方が問題となる
行政支援の公平性→実は不平等性?
住宅階層の分析の不十分性
住宅支援の多様性
まず、マクロにとらえる
青田 台湾大地震後の全盟から見る民間中間支援団体の役割について
<報告>
民間中間支援団体の機能
 社会の構成員をつなぐ
 連携のための資源や技能を提供
<議論>
日本の団体の調査の位置付け
その上で、相互の比較
国情のちがい、行政システムのちがい
新しい公共、身近な公共領域の作り上げ
官だけにたよるのでなく、民でできること
アメリカ、イギリス、ドイツの違い
募金で学校をつくる 戦前の日本であったが
2002-06-07(金) 10:50~12:50  研究経過報告会及びD論ゼミ
場所 都市安全研究センター会議室
参加 室崎、北後、越山、村田、紅谷、青田、ジーラ
発表
村田 研究経過報告会10:50~11:50 (1時間)
タイトル:兵庫県南部地震における火災被害と地震時出火・延焼機構に関する研究
●目的
 現代社会における地域の被災危険要因を明らかとする。
●論文の構成
 序論/関連する既往の研究/
 地域環境特性と火災被害の関連/
 火源の変容と地震時出火機構/
 建物の変容と地震時延焼機構/結論
●地域環境特性と火災被害の関連
 神戸市各区の特性と火災被害の関連
 出火密度が高い地域は、老朽化住宅高密度集積地
 (各区の地震動の比較、同じ程度だったか?)
 (長田区の特殊性? 特に戦前住宅率、大阪の一部が同じだが)
●火源の変容と地震時出火機構
 兵庫県南部地震時では、従来多かった熱源あり型が少なく、衝撃や通電による熱源発生タイプが多い。過去に比べて、火源種類の多様化傾向がある。
 (火源の発生した場所の傾向は? 高層建物の傾向は?)
●建物の変容と地震時延焼機構
 兵庫県南部地震路では、耐火造・準耐火造については、構造被害が大きい建物、工場や店舗などの用途ほど焼損規模が大であった。また、耐火造では、小規模建物で延焼拡大しやすく集団火災にもなりやすい傾向があった。
 (木造、耐火造の比率の変化、今回、耐火造に特に注目した理由をしめすべき。これが過去とのちがいをどのように説明できるか?)
●まとめ
 地震火災の出火・延焼機構の解明を行い、現代都市の被災危険要因を明らかとした。
(討論・指摘)
● 「被災地域の潜在危険」は、最初に定義しておく必要がある。防火管理、対応条件など社会的要因について考えていることを示しておく必要がある。
● 最初の地域環境特性と火災との関係 出火は、もともと人口と比例するが、インナーシティの要素が関連している点をだそうとしているが、可住地面積あたりの出火率にしているのは、なぜか。世帯数、震動から普通は、説明できるが、他の要因が特にきいていることを示す必要があるのではないか。
(区別に、人口密度、震動が同じことを示しておくとよいのではないか。あるいは多変量分析をするか。)
● 高層建築物についての地震時火災の危険性についても、何が考えられるか示しておくとよいのではないか。阪神・淡路大震災で、その予兆がみられていると考えられる。
紅谷
産業が落ち込んだところの復興 ドイツの例の調査
産業と都市の関係 プロジェクトをつくることによってまちがどう変わるか。神戸の大規模なプロジェクトとの比較。
(討論)
●D論のフレームをどのように構築するかが大事。全体をつらぬく筋。
●衰退地域が活力を取り戻す(復興と再生)ためのシステムに注目することを基本とするとよいのではないか。産業とくらしの連動が基本。サステナブルで内発的なものの重視。外発的なカンフル剤だけではだめではないか。
●そのためには何が必要か。NPOなどの役割、税制など経済的施策、まちづくりとの連動。ニューヨーク(地域雇用とコミュニティ施設、SBA)、グラスゴウ、ドイツの例など(10日~1ヶ月ほどかけて調査)が参考となる。世界の都市復興事例。地域活力をどのように作り上げるか。西山康雄の最近の著作が参考となる。
●実際の動きを、統計などでしっかりおさえる必要がある。いい復興だったといった思い込みで調査をするとミスリーディングとなる。
ジーラ・プーヤン
Urban Earthquake Valnaerability Assessment
Zone Selection for Assessing Vulnerability
(討論)
●Valnaerability Assessmentのフレーム、方法論がこれでよいか。Hazardorous areaをデータから設定して、その上にどのようなCausesが乗るかをみていく。ValnaerabilityとCausesの関係は?
●データによって、weakな場所を浮かび上がらせ、vulnerability scenariosをつくる。これをどのようにつくるかが課題。レイヤーの重ね合わせ?
●データは、典型地域にしぼって扱うことも考える。
2002-05-11(土) 10:00~ D論ゼミ(都市安全会議室)
参加 室崎、垂水、紅谷、チェ、ジーラ、徐、北後
発表
垂水 台湾大地震住宅復興の各施策の評価
<発表>
●個別住宅再建について阪神・淡路大震災と比較
●既存システムとの関連
 台湾 トップダウン
 日本 既存システムに頼る(しかない?)
<議論>
●台湾 既存システムが整備されていなかったので、過去にとらわれない。リーダーシップをとりやすい。日本の教訓をみながらできた。
●金額の比較方法
●どの層にいきわたったか、いきわたらなかったか
●施策の効果の比較 結果的にストックがどうなったか。被災者への助けになったか(短期、長期)。
紅谷 生活復興関連施策の評価と、仮設市街地の可能性
<発表>
●生活復興支援施策の効果を評価、復興満足度
●「生活の復興」に必要な条件・要因の抽出
●仮設市街地活用事例
<議論>
●生活復興関連施策はさまざまある。これと仮設市街地とのつながりがとれていない。
●「復興満足度」で、施策を評価できるか。ポピュリズムにならないか。先入観で満足度を回答する場合もある。
●住宅と経済・雇用、コミュニティとのかかわりをどのようにとらえるか。これが、仮設市街地に関連してくる。まちづくりとして、生活復興を考える。
●中小企業、商店などの復興プロセスを、まちとの関係でみていく。
2002-04-06(土) 10:00~12:30 D論ゼミ(都市安全会議室)
参加 室崎、北後、青田、徐、崔、垂水
発表
徐 神戸市震災復興に対する計画・制度論的考察
●神戸市復興計画の論理
 開発型復興論理、拠点型復興論理、分節型生活復興
●復興都市計画と復興計画の策定時期逆転の問題
 都市計画決定95年3月 復興計画95年6月
●復興計画論の再構成
 総括的な復興団地の必要性
(日本と韓国)
韓国の場合の復興と神戸との違いは?
 韓国の基本は復旧。
 日本の場合、巨大な災害の場合、復興するということになる。
日本の復興事例は、これからの韓国の防災対策に参考となるのか
(阪神の時の計画について)
全体にいろいろな計画があるが、意味合いが違うものが含まれている。
←復興計画は、計画の寄せ集めでつくられた点に問題がある。全体を押さえる仕組みが出来なかった。
下河辺委員会の問題 スケルトンが示されなかった。
40年のマスタープランは、意味を持っていた。
50年、60年のマスタープランは行政全体計画のようであった。
復興計画の評価、震災直後と、現在では異なることも
→具体的に見ていく
青田 台湾の民間支援組織の復興における役割
 (全国民間災後重建連盟:全盟、2年間の時限付きで震災直後発足)
●集められた募金が有効に使われているかのチェック
  全盟の監督委員会の意義、アカウンタビリティの高まり
●各団体の活動をどのように調整したか
  全盟の協調委員会、各地に活動センター(工作所)を設置、資金の斡旋
  毎月民意調査を実施→全盟の再建支援策に反映、政府への提言
崔   危険度評価の事例(1)
●第3回東京都地域危険度評価について
 危険度調査がどのように変わってきたか今後みていく
   段々こまかくなっている
   調査目的の変化は?
   横浜との違い
 第3回の評価方法についての説明


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